ユベントス × バルセロナ 14-15 CL FINAL
セリエのクラブで09-10モウリーニョインテルぶりのファイナル進出チームとなったユベントス。
ベスト8、4の舞台にコンスタントに立てるようになればセリエの復権をアピールになるはず。
今回はその大きなきっかけになったのは間違いない。
アッレグリは就任初年度で成果を出し、名将だということを結果で示した。
セリエをあまりみないですが、チームの戦力を組み合わせで最大限に発揮することの巧さがある監督という認識があります。
そしてみんなの憧れバルセロナ
でもないかもしれないですが、昨今のサッカーでこのクラブの注目度は随一でしょう。
バルサがカウンターに手を出したと話題になったチーム。
この1つ前のシーズンのヘラルド・マルティーノの時代からカウンターに着手していましたが、結果を出したという意味で注目された。
個人的にはポゼッションで崩していくサッカーが好きなのですが、偏ってはいないし、強いことはとても大切なことだと思ってるんで、このサッカーに賛成しています。
ポゼッションだけで勝てなかったら無意味なんで。
更にはネイマールが覚醒したシーズンだと思っています。
個人的にバルサ加入前後のネイマールは過大評価(いい選手だとは思っていたがもっといい選手が沢山いた)だと思っていたのですが、ドリブルとコンビネーションと得点力がアップして自分の評価が周りの評価に追いついてきました。
得点の数に関してはスアレスのおかげで稼いでる部分もありますが。
では話は試合に移ります。
前半はバルセロナがポゼッション、ユーベがリトリートという構図で多くの時間が流れた。
ユベントスは4-3-1-2での前プレと4-3-1-2と4-4-2の併用したリトリートを使い分けていてリトリートは4-4-2の時間が多かった。
4-3-1-2のトップ下のビダルがボランチに入り4-4-2にシステムチェンジする。
自陣の真ん中に位置して、ゾーンの色が強く、ディアゴナーレとスカラトゥーラでしっかり中央を閉めていた。
中央を閉めているということはサイドが空くということを意味している。
4-4のブロックの前エリアでプレッシャーが強くなく、ボールホルダーに対して距離が1m空いていた。
守備組織が整備されていないチームでプレッシャーが弱くバイタルを使われまくり、致命傷になることがあるがユベントスは問題にならなかった。
ただ、プレッシャーが弱いがゆえに、守備ブロック近くで自由にボールを持てることは目をつぶれない。
先制点以降からユベントスは、ブロックの前のエリア(このエリアに専門用語が欲しいバイタルエリアみたいに)のプレッシャーを厳しくする。
その方法は少し試行錯誤するが、10分頃にそのエリアはボランチとFWのプレスバックで挟み込むことで落ち着いた。
バルサのポゼッションでの陣形は4-3-3。
中を閉めているユベントスに対してスタートポジションを両WGタッチラインに張る。サイドチェンジを多用して、サイドから中に侵入する。
イニエスタが中寄にポジションを取る、ユベントスの右SHがイニエスタの担当なのでポジションと意識が中に向くことによってSHが本来いるべきSBの前を空く、そこをネイマールに使わせて崩す。
もう一つ特徴的だったのは、スアレスはSBとCBの間のポジションを取り、サイドの選手からボールをうけていたがユベントスのCBがついて行き対応されていてそこから崩しに発展しなかった。
前プレからショートカウンターで多く決定機を作っていたバルサだが、試合中盤からユベントスがゴール近くでボールを失うことは避けるため、プレスにハマりそうになったら、前線にボールを蹴り、リスクを回避していた。
バルサの守備は、4-3-3で前プレを掛ける。
リトリートの時は4-3で守る。
ユベントスがボールを奪ってから、時間が経ち、バルサ陣にユベントスの選手が7,8人入って来た時だけ4-1-4-1になる。
MSNが帰ってこない理由はデスコルガード。
ただ、ユベントスのカウンター回避の為のシュート意識の高さでトリオのロングカウンターは発動しなかった。
バルサは決定機を作られなければ問題ないという計算の守備をしていて、実際決定機はほぼなかった。
ただ、バルサ側からすれば、MSNのカウンターの回数がもう少し欲しかったと思う。
ユベントスの攻撃はトランジションが多くを占めていた、狙っていたのは3つ。
・SBの裏
・CBの前(ブスケツのいなくなったスペース)
CBの裏に関しては、ユベントスがボールを奪ってブスケツが自分のポジションを離れていたら、そこでボールを受ける。
ラキティッチが埋める役割だったようだが中途半端なポジショニングでブスケツがいなくなった後の対応が疎かだった。
そこを使われる状況の時点でCBが持ち場を離れたくない状況なので、使われていたが、その数プレー後はCBが対応に出れる時は早めに対応していた。
・それが出来なかったら左サイドからクロスを上げて、モラタとJ・アルバのミスマッチを生かした空中戦。
トランジションに関しては、押し込まれている時はバルサお得意のネガトラでボールを回収されていたが、
ユベントスが押し込まれていない状況でボールを奪った時のトランジション(攻→守)はメッシが攻守を切り替えてプレッシャーをかけに行かないので、アウベスやラキティッチがメッシの分のディフェンスをしていたものの、その分自分のディフェンスが疎かになりそこを突かれる場面があった。
前半は両チームゴール前に行くが、決定機の回数が時間とともに減っていった。
後半
54分 ユベントス同点ゴール モラタ
ユベントスがGKまでプレスに行きバルサにロングボールを蹴らせる決断をする。
バルサはMSN3人とも中央でプレーするようになり、ブロックの外から慎重に崩していた前半だったが、個人技でブロックをこじ開ける回数が増える。
この両チームの修正によって攻守が切り替わる回数が増え、試合が不安定な時間が長くなる。
プレミアほどではないが。
逆転ゴールから少しの時間はユベントスの明らかな焦りで攻め急ぎ、ショートカウンターを受けるば回数が増えて追加点の匂いがする。
ネイマールの幻のゴールもこの時間。
ただ、バルサはファールの数が増えてセットプレーの回数が多くなった、
ユベントスは狙い目だがゴールは奪えない。
シャビ投入でボールポゼッション高めて試合を殺すのかと思ったがそうでもなかった。
ユベントスのペレイラ投入の意図は攻守両面で4-3-1-2にして、トップ下の選手を攻撃的にして、攻撃の強化に着手。
明確なターゲットを投入。
流れを変える采配にならず、最後にネイマールがスアレスと交代したペドロのアシストを受けてゴール、バルセロナがビックイヤーを手にした。
05-06から10年で優勝4回とかえぐい。
あとがき
バルサはなにげに試合通してポゼッションでコンスタントに崩せなかった。
ユベントスのバイタルへのパスコースの遮断の徹底ぶりのかなりのものだった。
あとバルサのリトリートって要所を締めているなと感じた。
被シュート数多いけどほとんど危険なシュートではなかった。
スペースなのか人につくのか、パスコース切るのかボールホルダーにプレッシャーかけるのかの判断の良さが理由なのだろう。
一度サイドに振られたらサイドチェンジはさせず、同サイドで締めて平凡なシュートで終わらせる。だから7人でも守りきれる。
ペップ以降のバルサはポゼッション以外戦術的にファジーな部分が多かった印象。
ルイス・エンリケは前プレも復活させ、カウンターに関しても戦力が揃ったのが大きいが、MSNに自由にやらせる環境を作り、リトリートがはっきりしているバルサはペップバルサ以来な気がする。
これが出来ているうちは強いだろうし、大崩はしないはず。
それを証明したビックイヤー獲得だった。