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今年の9月スペインにサッカー指導者留学に行きます。それまでの期間限定ブログです。

ビジャレアルCF vs FCバルセロナ リーガ・エスパニョーラ 15-16 30節

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今シーズンのビジャレアルはレギュラー級をベンチにも揃えてリーガとEL両方をで好成績を狙っているのがわかるような補強でシーズンを迎えた。

リーガはCL本戦をかけたプレーオフの権利を得られる4位に位置している。

ELはベスト8まで勝ち進んだ。個人的には優勝も十分狙えるチームだと思っている。

なので、補強に見合った結果が出そうなシーズンを過ごしそうである。

 

バルサは今年も3冠を達成できるポジションに居るバルサ

このクラブは当然そうでなければいけないけれど。

個人的にはCL初の連覇はバルサにして欲しいので、頑張って欲しいが

昨年ほどの圧倒的感がない気もするところが気になる。

 

それでは試合に行きたいと思います。

 

 

 

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ビジャレアルの4-4-2はゾーンの意識が強く、自分の持ち場を簡単に離れないスペースを守る。

縦横ともにコンパクトで選手間の距離も一定を保つ。

 

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それに対してバルサは立ち上がりビルドアップの局面で相手の2トップに対してCBとブスケツ3人で数的優位を作り時間を手に入れてポゼッションを安定させる。

ここがバルサのビルドアップの出発点。

WG(メッシ、ネイマール)が中盤に降りてポゼッションに参加し、ピッチを横に大きく使ってブロックの外からショートパスを中心に攻める。

目立ったのはサイドでWG、CH、SBの3人がユニットとしてポジションチェンジや

パス交換で崩す事を試みる。

 

この局面で効果的だったのは、CH(ラキティチ、アルダ)の動き。

WGがサイドでボールを受けやすいように、CHがビジャレアルSH付近に

ポジションを取りWGへのディフェンスの対応をポジショニングで遅らせていた。

この攻防はビジャレアルのディフェンスが適切に対応しフィニッシュに何度か行くことがあったが、決定的なシーンは作れない。

 

ビジャレアルはカウンターを狙い、フィニッシュまで行けなかったら遅行に移行していた。

4-4-2の4と2の間で奪えたときは、いい状態でボールを奪えたので出し手も、受けても前向きでプレーしやすい。

ペナ幅でアタッカー中心に時間を掛けず、前に運ぶプレーでフィニッシュまで行く。 

 

自陣ペナ付近でボールを奪った時のロングカウンターは、バルサのプレッシングにポジショニングが甘い選手がいた事と、ビジャレアルの後ろの選手が技術が高い(戦術的な意味でも)選手なので、プレッシングをかわして、アタッキングサードに侵入する回数も多く、決定的な場面を作ることが出来ていた。 

ブルーノのプレスを受け流す能力と、デニス・スアレスのスペースがある状態での推進力はバルサにとって厄介だった。

 

19分にセットプレーでバルサ先制ラキティッチ0-1

 

失点後はビジャレアル

失点後約10分間はビジャレアルが攻守ともに積極的になりビジャレアルペースで試合が進む。

セットオフェンス(ビルドアップが終わって崩しに入る状態)の時に SBを積極的に上げるようになる。

ただ、バルサのカウンターの時にSBの裏を狙われるデメリットもあった。

 ディフェンスでは自分たちがボールを持つ時間を長くして攻撃機会を増やすために

チームで奪いに行くディフェンスをする。

しかし、時間が経つとメッシがゲームメイクを始め、前プレがかわされ始める

前プレを交わされるとカウンターや、少ない人数で守ることになり、

MSN相手には分が悪い展開になってしまう。

なので前半30分頃からビジャレアルは前から行くのをやめて、序盤と同じ試合展開に戻る。 

中盤低い位置に降りたメッシを誰が見るかが曖昧になり守備ブロックがズルズル下がり、押し込まれる時間が多くなるビジャレアル

 

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押し込んだ時のバルサのシステムは2-3-4-1

バイタルのメッシとネイマールに自由を与えたくないビジャレアルは、

守備ブロックの横幅を更に狭くする。

しかしバルサは、その二人のコンビネーションで無理やり突破を試みる。

 

 この時間帯は両チームともチャンスを同じくらい創ったが、

後半40分にバルサのカウンターからネイマールがPKを獲得。

そのPKをネイマールが決めて2-0で前半を終える。

 

 

 

試合展開自体は変わらず、

バルサのポゼッション対ビジャレアルのリトリート

ビジャレアルのカウンター対バルサのネガトラが多くの時間を占めていた。 

後半に入ってビジャレアルは前半にやめた前プレを再開。

ホームで前半で2点差をつけられて、ビジャレアルのクラブの格からしてここで前に行かないわけには行かない。

やることははっきりしているので、選手に迷いはなくプレスの強度が上がっていた。

実際にボールを奪える回数が増え、その形からショートカウンターでバカンプが決めて1点返して1-2。

そのままの勢いで後半17分にCKで同点2-2

後半9分にピケと交代したマテューのオウンゴールを誘う。

 

最後の崩しの局面で中央突破を重視していたバルサだったが、サイドに大きなスペースを創った状態でペナ横までえぐってクロスや、右SBを絞らせてニアゾーン(最近はハーフスペースという言葉が流行っている)でJ・アルバがグラウンダーのクロス(バルサ得意の形)を多用するようになる。

CBもセンターサークルを超える辺りまできてハンドボール状態で攻撃をするバルサ

ただ、今日のバルサは終始カウンターを許し、ポゼッションが長く続かない。

 

 

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ビジャレアルの素早いトランジションからの、ブスケツが飛び出して出来たスペース

でボールを受け、バルサのCBに捕まえられたら、DFラインを下げるために裏に走り

広げたスペースに他の選手にドリブルで侵入させるカウンターに苦しめられる。

 

最終的にそのままスコアは動かず2点差をバルサビジャレアルに詰められ2-2で

試合終了。

 

 

 

ビジャレアルはこれだけ攻撃に出て2点取りながらも決定的な場面をバルサ相手に作られないゲーム運びは素晴らしいと感じた。

攻撃全般的に少人数で完結してカウンターの失点のリスクを下げてゲームを進めることが大きかった。

ただ、バルサブスケツのスペースは昨シーズンも狙われていたので、

そこをケアするのか、前で潰すのかをはっきりさせなければCLレベルで失点の可能性が高いと思う。

特に次のベスト8で当たる相手はビジャレアルとSHの使い方が似ているのでそこを執拗に狙ってくるだろう。