アウトプットツール

今年の9月スペインにサッカー指導者留学に行きます。それまでの期間限定ブログです。

Voy a ver el partido de fútbol con mi amigo  ~ガンバ大阪 × 鹿島アントラーズ Jリーグ開幕戦~  

f:id:mimanera:20160302213714p:plain

タイトルはスペイン語で「私は友達とサッカーの試合を見に行きます」です。

言葉通り友達とサッカー観戦に行きます。

その試合は、3/5の鹿島アントラーズ×サガン鳥栖

カシマスタジアムのホーム開幕戦です。

なので、今回は事前に鹿島の戦術を予習しておこうと言うかなり個人的なマッチレポートです。

地上波で放送してくれたTBSに感謝します。

尚、最初に言っておきますが対サガン鳥栖戦はアップしません。 

 

 

今度鹿島の試合見に行く、またはスカパーで鹿島の試合見るよって人は参考にしてみてください。

この記事を見て鹿島の試合見に行きたくなったって思ってくれたら最高です。

あの綺麗な緑の芝生とテレビの何倍もの音量で体内に響いてくるサポーターの大声援。

僕は何度行っても気持ちが高ぶります。

コンビニやネットとかで簡単にチケット買える時代なんで見に行ってみてください。

 

ではそろそろ分析に行きたいと思います。

マッチレポートというより戦術分析なので試合にはほとんど触れないで行きます。

 

 

俺は予習終わったからお前もこの記事で予習して3/5楽しむぞ。

 

 

 

サッカーの4つのサイクル

・攻撃(セットオフェンスまたはポゼッション)

・攻撃から守備への切り替え(ネガティブトランジション通称ネガトラ)

・守備(セットディフェンスまたはリトリート)

・守備から攻撃への切り替え(ポジティブトランジション通称ポジトラ)

分析対象のチームのこの4つの局面の長所短所、特徴をを分析してチーム力の大枠を判断している人もいるでしょう。 

 

括弧の中は自分の呼び方やよく目や耳にする言い方で、各々呼び方は自分で理解していれば問題ないと思っています。

現代サッカーであればもっと細かくすることも可能だと個人的には思いますが、

これが有名どころです。

 

この記事ではこの4つのフェーズに分けて分析していきます。

 

 

鹿島の武器 トランジション

 
攻→守への切り替え

鹿島最大の特徴はトランジション

ネガトラは崩しに関与した選手の切り替えが速く、パスを前に出させないように、

ファーストディフェンダーの役割を果たしていた。

ファーストディフェンスを回避してもカウンター起点となっていたアデミウソンはガンバのペナ近くだと柴崎ハーフェーライン近くだと植田が、長沢は昌子がしっかり潰していた。

攻撃の局面の時点でDFラインを上げポジショニングも攻守が入れ替わった時を想定した準備が出来ていることが質の高いネガトラを実現させていた。 

 

守→攻への切り替え

ポジトラでは前を向いて、自陣真ん中辺りで良いボールの奪い方が出来た時は、奪い切る少し前から、SHの中村がハーフェーライン付近に出来ていたエアポケットにポジショニングして、奪いきったらすぐボールを中村に渡し数的同数に近い状況でカウンターを繰り出す場面が何度かあった。(ビジャレアルもやってる)

最初は鹿島SHのリトリートの守備タスクがデスコルガードの為か少し緩かったが、10数分頃からガンバに攻め込まれる時間帯からしっかり守備に参加するようになったが、隙をみて続けていた。

 

低い位置からのカウンターでは金崎のキープ力でタメを創り押し上げる時間を稼げる。 

 

トランジションの局面での球際の強さと複数の選手で連動はしっかり意思統一が出来ていてレベルが高かった。

 

後半運動量が落ちて球際の強さに衰えが出てボールを持たれる時間が減り、ガンバペースの時間の方が多かった。

 ボール保持を時間増やしてリズムを落としてスタミナをコントロールすることなど改善が必要だと感じた。

 

 

守備(セットディフェンス) 

セットディフェンスでは、まず最初はハイプレスを仕掛ける。

ハイプレスでボールをGKに蹴らせて、ルーズボール争いに持込み自分達の土俵に上がらせる鹿島。

前半は8割くらいの勝率でルーズボールを鹿島ボールにしていた。

 

それができなければリトリートして4-4-2で守備ブロックを作る。

人の意識(マーク)が強い守備。

鹿島のSHは守備時にペナ横(サイドの深い位置)まで下がらず、それ以降は守備に関与せずカウンターの起点の準備を始める。

2トップはポジションをとっているものの、守備ブロックの計算に入らない。

気まぐれで守備を行っていたので、ガンバのボランチは常にではないが、妨害のない状態でボールを捌いていた。

 

ガンバは鹿島の右サイドに人数をかけて、狙っていた。

おそらく鹿島の右SBの西は裏を取られやすい事をスカウティングで分かっていてのこと。

右サイドに大森と藤春と今野に時々FWかトップ下と人数を掛けて西の裏を藤春のスピードを活かし突破することを狙っていた。

鹿島は右サイドを短時間で何度か突破されてからはSHの守備意識が高くなった。

 

右サイドの攻撃がが効果的ではなくなったら今度は鹿島の左サイドから攻めに切り替える。

ガンバの右SBの米倉からサイド攻撃が始まるがオフザボールの動きが少ないからか、こちらサイドでは前を向くことが簡単には出来ない。

ただ、何度か藤本がカットインしながら右にサイドチェンジをして守備ブロックに侵入する形を見せた。

 

ボールの受け手に制限をかけるディフェンスで守っていたが組織で守る意識が低く、ボールの奪いどころがない、完成度の高とは言えないディフェンスだった。

 

ただ、米倉がボールを持った時、縦を切り周りの選手も捕まえてパスを出す判断をさせない。

よって米倉が斜め後ろのCBにバックパスした瞬間にFWがCBにプレスをかけGKまで下げさせてロングキックを蹴らせてマイボールにするパターンは成功していた。

 

 

ポゼッション

立ち上がりガンバの守備は4-4-2で鹿島のCBを放置した守備ブロックを組んで来た。

なので鹿島はCBがポゼッションの出発地点となり、ビルドアップを始める。ビルドアップではロングボールの前進とショートパスでの前進を使い分けていた。

 

f:id:mimanera:20160302214635p:plain

ロングボールを使ったビルドアップ 

ガンバのFWとSHはと鹿島のDHとSB担当なので鹿島のDHとSBは意図的に高いポジションを取らない、そうする事によってガンバの守備陣(DFラインとボランチ6人)

とアタッカー4人の距離を開かせてスペースのある状態でロングボールをガンバの中央寄りのサイド付近にFWにロングボールを当てて、セカンドボールを拾いビルドアップ完了。

セカンドボールの奪い合いをしている間にDFラインはハーフェーライン付近まできていて、ボランチはセカンドボール争いに参加できることもあった。

 

 

ショートビルドの場合

ブロックの外からアタッキングサードまで前進し、サイドからブロックの中に侵入する

 

f:id:mimanera:20160302215821p:plain

 

 

f:id:mimanera:20160302215837p:plain

DHをSBエリア(本来SBのポジション)に配置してガンバのSHを引き出し、SBをフリーの状態でボールを渡す。

ボールホルダーのSBは前に運びガンバSBが対応に出てくるとSBの裏が空くのでそこで片方のFWがボールを受けビルドアップを成功させる。

SBを低い位置に留めて、ガンバSHを引き出しフリーでパスを受けてSBを引き出しFWのパターンもあるが、大事なのはのはSBを引き出しSBの裏のスペースを創り、FWに受けさせること。

  

24分頃にガンバがスペースを与えるのを嫌い鹿島のビルドアップでガンバのSHが鹿島のSBのエリアにプレスに行くのをやめて、鹿島SHを対象に変更。

そうすることによって、SBが前に出る必要がなくなるので裏をFWに取られないように修正。

その場合はプレスがかからなくなったSBでボールを運び前進する。

 

 

ガンバはリトリートの局面でも守備ブロックのプレッシャーの意識を落としてスペースを埋める事を優先する。

柴崎が守備ブロックの前でノープレッシャーでボールを持ったら、遠藤がDFラインの裏や、バイタルの崩しの決定打になるような場所にフリーランニングをしてシュートチャンスを演出する。

 

 

ビルドアップが終わったら崩しの局面に入るが、ポゼッションではサイドから起点にピッチを縦横大きく使っていく攻撃が特徴的だった。

常に狙っているのがSBとCBの間、または同義語ではないがニアゾーンを狙う。

 

f:id:mimanera:20160302221847p:plain

鹿島の崩しの多くはタッチライン際に選手を張らせてそこを起点に始まる。

タッチラインに張る選手はSH、SBの片方か両方、たまにFW。厳密に決まっているわけではない。

ガンバのSH、SBをコンビネーション(ポジションチェンジ、ドリブル、パス交換)でタッチライン際まで引きつけ間のスペースをオフザボールの選手が使い、ドリブル、パス、クロスでフィニッシュまでいく。

スペースが生まれそうにない場合は、コンビネーションで強引にブロックの中に侵入する。

サイドチェンジをして逆サイドでやり直すこともあった。 

 

シンプルにサイドを突破してクロス、アーリークロスでもゴールに迫っていた。

アーリークロスの特徴は相手がクロスの対応の準備ができていない隙に早めにクロスを上げる、そして、点で合わせるのではなくDFが落下地点に入れない所に速いボールを入れて、クロスの受け手は遅れて入ってマークを出来ていない状態でゴール前に入っていく。

 

鹿島は崩しに入ると、どんどん周りが連動して動いて、あまり時間をかけず相手に考える時間を与えずゴールに向かって行くのでかなりスピード感と迫力があり、何度もゴール前に侵入することが出来た。

 

ここでも後半の運動量の低下の影響が出て、オフザボールで動いてポジションチェンジすることが減り、時間とスペースを作れなくなってしまった為フィニッシュに行く確率が落ちた。

カイオを投入してからは、カイオの個人技での攻撃が多くなった。

 

 

まとめ 

鹿島のゲームプラン

攻撃ではまず相手の守備が整っていない状況(カウンター、ルーズボール)で速攻。

ポゼッションの優先順位はその次。

ポゼッションではショートパス、ロングパスを使い分けビルドアップをして、

崩しに入ったらピッチを大きく使い、ポジションチェンジをしながらSBとCBの間を使い崩す。

マイボールにする手段はネガティブトランジションゴールキックとプレスをかけてボールをGKまで下げさせて、ルーズボールを拾う。

リトリートは人を4-4の守備ブロックで人を捕まえるディフェンスで跳ね返す。

 

 

鹿島アントラーズを分析して見えた長所・短所

いい意味でも悪い意味でも運動量が鍵を握っているサッカー。

ただ、ハードワークできている時のトランジションとポゼッションの崩しは質が高かった。

リトリートで2トップが守備をしないので、ボランチに大きな負担がかかっていた。

バイタルを使うのが上手いチームにはこの部分が目立ちそう。

人の意識が強いディフェンスでスペースを相手に使われてしまう場面があった。

右SBの西は裏を取られやすいので今後も狙われる。

守備で押し込まれても金崎のフィジカルを生かしたポストプレーで時間を稼げるのはでかい。

ジョーカーにカイオは強力なカード。

 

 

チーム分析は相手があることなので1試合では結論は出せませんが、自分が読み取ったものを文章にしました。

この試合を見てJリーグ面白れえと普通に感じました。

正直ここまで面白いと思ってなかったです。

では、これを踏まえてカシマスタジアムに行ってきます。

 

 

¡Hasta la próxima!