ベンフィカ × バイエルン 15-16 CL Quarter Final 2nd leg
スペイン語の試験が5月にあるので、今月と来月は更新1回にします。
その分6月以降は更新増やしたい気持ちはありますが、日本にいる間にやりたいことが
あるので、断言はできません。
要は未来の事は分からないってことです。
尚、次回更新は23日以降です。
あと自分のサッカー観戦の感性というか考え方の話なんですけど、
今まではチームのスタイルやいる選手で観たい試合を観てそこから何を学ぶかだったのが、何を学びたいかが先に来て、それからどの試合を観るかという考え方が芽生え始めました。
まだ芽が出そうな所なので行動レベルまで行ってはいないですが、そんな変化が出てきました。
こうゆう自分の小さな変化に気づくことは、成長する為にとても大切だと思っています。
これは自分と向き合っている証拠なのでこの感覚は結構好きです。
僕は日記を書いていませんが、日記を書いて振り返るというのは、自分の小さな変化に気づく機会を設けることが出来るので成長の助ける役割だと思っています。
慣れない前置きをしてみましたが、話を本題に移しましょう。
バイエルンのCBコンビは、シーズン通して出場機会の少ないハビ・マルティネスと
出場機会はそれなりに得ているが主力とは言えないキミッヒ。
バイエルンの試合を多く見ているわけではないので確信ではないが、
キミッヒはボランチが本職で、CBのけが人が多いと言う台所事情で最近
CBにコンバートされた選手。
CBとしての試合数は少し重ねたとは言え、本職とは見劣りしてしまうのが本音。
サイズもCBとしては相当小さい。
更にバイエルンはGKとCBの連携ミスでイージーなミスで失点する場面も時々見る。
その2CBに2トップを当てる。
特に早くて強いラウール・ヒメネスはキミッヒとフィジカルバトルを望む。
ただ、バイエルンもそれを分かっていて片方をフィジカルバトルのできるハビ・マルティネスを起用し、
キミッヒサイドに行ったら行ける時にはポジションを交換し弱点をカバーする選手起用で対応していた。
ただ、空中戦のセカンドボールは拾う役がいないと攻撃側が有利になる時がある。
最終ラインでの競り合いでは、DFはボールを前に跳ね返す。
ここでセカンドボール回収役がいないと、ポジション的に相手FWがアドバンテージが
あるという状況が生まれる。
今日のバイエルンはまさにそうだった。
ベンフィカはDFラインで意図的にボール持ちバイエルンが前プレ仕掛けて間延びをさせてからロングボールをけることと、バイエルンCBの援護にSBが入らないように
ベンフィカSHが低いポジションをとってSBを引きつける。
この二つの工夫を行っていた。
前半10分頃になるとバイエルンがボールポゼッションでペースを握る。
ベンフィカのセットディフェンス(オーガナイズしたディフェンス)は
4-4-2のコンパクトなブロックをピッチのど真ん中に敷く。
それに対してバイエルンは4-1-4-1の形をベースにビルドアップを行う。
バイエルンのアンカー(シャビアロンソ)とCB3人対ベンフィカの2トップで
3対2の数的優位を作り攻撃のスタート地点を確保。
攻撃パターンとしては主に2種類。
一つは、キミッヒ、シャビアロンソのロングフィードでD・コスタに時間がある状態でパス。(ここではキミッヒのいい所が出ている、この為の起用)
横幅も狭いベンフィカの守備ブロックは真ん中から一本のボールを送れば、
いい状態でボールを受けることができる。
もちろん逆サイドからだったらもっと時間を提供できるし、パスの受けての同サイド
からだったら守備ブロックがスライドしているので時間は与えられない。
D・コスタがボールを持ったらカットインしてサイドチェンジか中盤を経由しての
サイドチェンジ。相手を2回大きくサイド振ることでアタッキングサードの入り、崩しに入る。
D・コスタがパスを受けた時点または、独力でボールを前に運び、
アタッキングサードに侵入した場合はそこで崩しに入る。
二つ目は、ボール縦横に散らし、サイド攻撃したことによってサイドにヘルプ行ったボランチ付近のフリースペースから裏のスペースへのスルーパス。
DFラインを高い位置に敷いているために大きな裏のスペースが存在する。
ベンフィカもラインコントロールとマークをしっかり行い決定的なチャンスは多くは作らせなかった。
共通しているのはベンフィカの守備ブロックの外から攻撃している。
バイエルンの中央攻撃を警戒の現れでもあるコンパクトのブロックに正面衝突は
賢くないと判断したグアルディオラの采配。
ボールを持たれてからはうまくいかないベンフィカ。
立ち上がりは、DFラインでフリーでボールを持ってそこから狙ってフィードが出来たが、ペースを握られてからはボールを奪って攻撃に切り替わった時に、
守備のことを考えながら攻撃をしているバイエルンが素早いネガトラでプレッシャーが掛かり、相手にコントロールされた状態の攻撃になった為ベンフィカの狙いが出せなくなった。
押し込まれることで攻守にネガティブな影響が出るベンフィカは
セットディフェンスの局面でSHをD・コスタ担当にする
細かく言うなら、フォーメーション的にはバイエルンSBにはベンフィカSH、
SHにはSBがマッチアップするのがセオリーだが、マッチアップがSHに対してSHに変更した。(あくまでメインの話、SBが対応に出ることもある)
D・コスタのポジションがSBに近い場合、セオリー通りマッチアップはSBになる。
何度もフィードからパスを受けて効果的なプレーをされたら。ディフェンスとしては
対応の仕方を変えなければいけない。
1番シンプルなのが、D・コスタへのマークの意識を高める。
つまり、あらかじめ近い距離にいて、前を向かせない、場合によっては
ボールを受けさせない。
ただ、SBがこの方法を採ると、DFラインを離れることになる。
ゴールに近い位置であればあるほどDFラインに穴を空けることは危険なことなのでなかなかこの方法は採れない。
しかも、ミュラーはX・アロンソがサイドチェンジでD・コスタにフィードしそうな時に、D・コスタサイドのSBの近くにポジショニングして、少しでも対応を遅らせる為に
ボールのないところでの駆け引きを頻繁に行っていた。
そこで先ほど説明したマッチアップの変更。
SHならディフェンス面で致命傷にならないと判断した。
その直後にベンフィカのゴールが決まる1-0。2戦合計1-1
右サイドに人を集めて、バイエルンディフェンスを引きつけ
左サイドの中盤に大きなスペースを作り攻撃性能の高いSBエリゼウが
高い位置までボールを運びクロスのような裏へのフィードでラウール・ヒメネス
がヘディングでネットを揺らす。
バイエルンのウィークポイントを突いた得点。
この引きつけて運んでチャンスメイクする形は、得点シーンの前に2度オートマチックに行われてたので、監督の仕込み通り。
ベンフィカの得点以降、正確に言うとベンフィカのマッチアップの変更後から
バイエルンの攻撃が変化する。
D・コスタからの攻撃が効果的ではなくなることが多くなり、
右寄りの中盤でプレイしていたT・アルカンタラが左寄りの中盤にプレイエリアを移し、そちらサイドからの攻撃が多くなる。
1-1。2戦合計2-1
対応されてからの対応がかなり早かったバイエルン。
2プレーほどでチーム全体が意思疎通をしていた。
さすが優勝候補筆頭といったところ。素晴らしい。
そこからは同じように試合は流れ前半終了。
後半はリトリートとセットオフェンスが少ない展開になった。
理由はベンフィカが前プレを仕掛ける時間が多くなり、
それを掻い潜るバイエルン
後半立ち上がりはベンフィカが前プレの意識を高める。
その影響で自陣深い位置でボールを奪い攻撃を始めることが多くなり、
カウンターの回数が多くなる。
そのカウンターから得たCKで51分にミュラーが逆転ゴール。
1-2。2戦合計1-3
敵陣でプレーする回数を確保するメリットがあったが、
カウンターの危険性が増すデメリットが勝った瞬間だった。
逆転後のベンフィカは攻撃ではR・サンチェスが高い位置での攻撃に頻繁に絡むようになる 。
守備ブロックは高い位置に保つ徐々に前プレを抑えていく。
その為バイエルンはセットオフェンスの時間が増えてくる。
バイエルンは左DHのフェイサを動かしそのスペースを狙って崩していた。
リベリーがタッチライン際でボールを前向きで持ち、ベンフィカSBとSHが、サイドの対応に出る、それによって出来たSBとCBの間のスペースにT・アルカンタラが走り、
その対応をフェイサがする。
フェイサがいたボランチのスペースにT・アルカンタラとのワンツーで侵入を試みるプレーをリベリーが行った。
これ以外にも何回かフェイサを動かしそのスペースを使うプレーが見られた。
何度かやられたあと、フェイサは受け渡せるところは受け渡すように対応を変えていた。
試合終盤はお互いがセットプレーと少ない時間で前プレを交わしゴール前まで、行き来する攻守の切り替えが頻繁に起こる展開。
バイエルンは立ち上がりと同じくDFラインがさらされると脆さが露になった。
2-2。2戦合計2-3
あと2点が必要なベンフィカはバイエルンより多くの決定機を作る。
84分にベンフィカの2点目と似た様な位置でのタリスカのFKは見せ場だったが
決められず試合終了。
バイエルンの準決勝進出がきまった。
勝手なイメージだが、ポルトガルのチームは攻撃に重きを置くイメージで、
多分ベンフィカもいつもは攻撃を重視したサッカーをしていると思われる。
ただ、CLなどの格上相手の試合だと相手に合わせ、組織されたリトリートと
カウンターをメインに、相手の弱点を突く戦い方を変える柔軟性が、
CL準々決勝で善戦する成果を上げたのだろう。
スペイン行ったら、行ってみたい国の1つにポルトガル入ってるんですよね。
育成上手いし、いい指導者出てるし、サッカーの勉強として興味があります。
隣国で、言語的に意思の疎通は図れるようなので。
バイエルンは脆い部分はわかりやすく脆かった。
何がまずいって、その弱点を隠せてないのがよくない。
ただ、CBのレギュラーが帰ってきたら強いはずなのでそこまでしのげればと言う所。