リバプール×セビージャ 15-16EL FINAL
立ち上がりはセットプレー、空中戦が多く、激しいコンタクトの多い試合で、
ゲームが落ち着かない展開となった。
原因はお互いが前プレと、ネガトラで高い位置でプレッシャーをかけるディフェンスをしていたため、お互いがロングボールを使ってリスクを回避することで空中戦が増え、それによりボール保持しているチームが入れ替わることが頻繁に起こり、スペースが生まれてカウンターが増え、1対1の場面が多かったことによるもの。
この時間帯はどちらかといえばリヴァプールが優位にゲームを進めた。
両チームともディフェンスの時間はフィールドプレイヤー10人がコンパクトで中央を閉めていた。
そこまではいいが、サイドの空いたスペースをリバプールはボランチが埋めていたのに対しセビージャはネガトラの局面でサイドに運ばれたときにディレイする選手が用意されていなかったので遅らせることができなかった。
リバプールが時間をかけずにそこを使っていたことも要因の一つ、攻守が切り替わったらSBが受け手となり、主にミルナーとチャンが積極的にノールックで出したりワンタッチで受け手に時間を与えるボールを供給していた。
15分頃からゲームの展開がリバプールがポゼッション、セビージャがリトリートのと言う時間が長くなる。
セビージャは前プレをやめ4-4-2のリトリートに切り替える。
リバプールはエムレ・チャンをCBの間に下げる戦術は変えず、最終ライン対2トップの数的優位は確保。
それに加え、ミルナーが相手2トップ横(セビージャから見て左サイド)にポジションを取り、合計4人が攻撃の出発地点になる。
そのリバプールは左サイドからの攻撃をメインとしていた。
リトリートで4-4-2を組んでいる局面でセビージャの右SH(コケ)はリバプールの左SB(モレノ)が自分の背後にポジショニングしたら、ついていくので5バックのようになる。
コケのいたスペースが空くのでそのフリースペースをリバプール左CB(トゥーレ)が運ぶドリブルで攻撃参加して、左SB、SH、流れてきたフィルミーノがポジションチェンジで突破のパターンが多かった。
左が詰まったら逆サイドのクラインでアイソレーションを狙うのがリバプールのパターンだが、セビージャはスカウティング済みで左SBですぐ対応していた。
決定機をたくさん作ることができたわけではないが、押し込むことができ、受身にさせることに成功したという意味で試合を優位に進めることが出来た。
一方セビージャはリバプールの前プレとネガトラを回避することがほとんどできなかった。
選手個人のパスやドリブルコースを切るポジショニング、更にそれをしつつも時にはボールホルダーに複数人でプレッシャーを掛けて追い込むプレス。
最終ラインもそれに連動してロングボールでも起点を作らせないことでセビージャの攻撃方法を潰していた。
バネガがリバプールのネガトラを個人技で2、3人いなしてはいたものの、周りが捕まっていて、出すに出せなかったり、考えているうちに後続が来たりで報われなかった。
セビージャの唯一の攻めては時折もらえるFKやCKだった。
34分にリバプールが ゴール。1-0
ビルドアップでロブレンからのロングボールを拾い、セビージャのDFが整っていない状況でのゴール。
試合はそのままリバプール優勢で試合が進み、前半終了。
後半開始1分経たずにセビージャゴール。ガメイロ1-1。
クロスのセカンドボールを拾ったマリアーノがそのままペナ横からペナ内に侵入してくラウンダーのクロスをガメイロ。
ペナ横でボールを持ったとき、リバプールはSHとSB2対1で対応したが、チャレンジアンドカバーの関係になっていなかったため間を抜けられた。
抜けられたあとCBとSBの間をボランチが埋める仕組みだが、エムレ・チャンが遅れて対応していた。
チャンの様子を見るとサボっていたようではなさそうだが、ゴール前を固める判断をしたのであれば人数的にカバーにまわった方が結果論の角度から言えばよかったと思う。
後半はセビージャがビルドアップの時に、CBと同列にボランチの選手を配置し、リバプールの高い位置からのプレスを人数の問題で狂わせた。
前線のプレスをかわしても、リバプールのコンパクトな守備組織は後衛がスペースを埋めているため、大きく試合展開を変えることにはならなかったが、ポゼッションによりチーム全体で前進する回数が増えたので、リバプール陣内でセビージャがプレーする時間が増え、小さいながらも間違いなく影響は与えていた。
そして、63分にセビージャがコケのゴールで逆転。1-2
前プレが嵌らなくなってきて、チームとしてディフェンスの開始位置を下げたものの選手各々の役割が曖昧になった所で一気にビルドアップからゴールまで持って行かれてしまった。
まさに、ビルドアップの修正が布石となったゴール。
このゴールまでの流れで、ビトロが個人技でリバプールの守備組織を3回揺さぶったのも見逃せないところ。
立て続けに69分コケのゴール。1-3
ハーフェー付近でのリバプールのミスからカウンターからの得点。
リバプールは1-2の直後にフィルミーノ→オリギ、
1-3の直後にララーナ→アレン。
82分にトゥーレ→ベンテケ
システムが強いて言うなら3-4-3で狙いはパワープレー。
攻撃も前線に並べたFWに向けてのロングボールとクロス。
ただ、迫力もなくシュートに至ることも多くはなく、最後の時間帯は危なげなく
セビージャが逃げ切った。
ベンフィカ × バイエルン 15-16 CL Quarter Final 2nd leg
スペイン語の試験が5月にあるので、今月と来月は更新1回にします。
その分6月以降は更新増やしたい気持ちはありますが、日本にいる間にやりたいことが
あるので、断言はできません。
要は未来の事は分からないってことです。
尚、次回更新は23日以降です。
あと自分のサッカー観戦の感性というか考え方の話なんですけど、
今まではチームのスタイルやいる選手で観たい試合を観てそこから何を学ぶかだったのが、何を学びたいかが先に来て、それからどの試合を観るかという考え方が芽生え始めました。
まだ芽が出そうな所なので行動レベルまで行ってはいないですが、そんな変化が出てきました。
こうゆう自分の小さな変化に気づくことは、成長する為にとても大切だと思っています。
これは自分と向き合っている証拠なのでこの感覚は結構好きです。
僕は日記を書いていませんが、日記を書いて振り返るというのは、自分の小さな変化に気づく機会を設けることが出来るので成長の助ける役割だと思っています。
慣れない前置きをしてみましたが、話を本題に移しましょう。
バイエルンのCBコンビは、シーズン通して出場機会の少ないハビ・マルティネスと
出場機会はそれなりに得ているが主力とは言えないキミッヒ。
バイエルンの試合を多く見ているわけではないので確信ではないが、
キミッヒはボランチが本職で、CBのけが人が多いと言う台所事情で最近
CBにコンバートされた選手。
CBとしての試合数は少し重ねたとは言え、本職とは見劣りしてしまうのが本音。
サイズもCBとしては相当小さい。
更にバイエルンはGKとCBの連携ミスでイージーなミスで失点する場面も時々見る。
その2CBに2トップを当てる。
特に早くて強いラウール・ヒメネスはキミッヒとフィジカルバトルを望む。
ただ、バイエルンもそれを分かっていて片方をフィジカルバトルのできるハビ・マルティネスを起用し、
キミッヒサイドに行ったら行ける時にはポジションを交換し弱点をカバーする選手起用で対応していた。
ただ、空中戦のセカンドボールは拾う役がいないと攻撃側が有利になる時がある。
最終ラインでの競り合いでは、DFはボールを前に跳ね返す。
ここでセカンドボール回収役がいないと、ポジション的に相手FWがアドバンテージが
あるという状況が生まれる。
今日のバイエルンはまさにそうだった。
ベンフィカはDFラインで意図的にボール持ちバイエルンが前プレ仕掛けて間延びをさせてからロングボールをけることと、バイエルンCBの援護にSBが入らないように
ベンフィカSHが低いポジションをとってSBを引きつける。
この二つの工夫を行っていた。
前半10分頃になるとバイエルンがボールポゼッションでペースを握る。
ベンフィカのセットディフェンス(オーガナイズしたディフェンス)は
4-4-2のコンパクトなブロックをピッチのど真ん中に敷く。
それに対してバイエルンは4-1-4-1の形をベースにビルドアップを行う。
バイエルンのアンカー(シャビアロンソ)とCB3人対ベンフィカの2トップで
3対2の数的優位を作り攻撃のスタート地点を確保。
攻撃パターンとしては主に2種類。
一つは、キミッヒ、シャビアロンソのロングフィードでD・コスタに時間がある状態でパス。(ここではキミッヒのいい所が出ている、この為の起用)
横幅も狭いベンフィカの守備ブロックは真ん中から一本のボールを送れば、
いい状態でボールを受けることができる。
もちろん逆サイドからだったらもっと時間を提供できるし、パスの受けての同サイド
からだったら守備ブロックがスライドしているので時間は与えられない。
D・コスタがボールを持ったらカットインしてサイドチェンジか中盤を経由しての
サイドチェンジ。相手を2回大きくサイド振ることでアタッキングサードの入り、崩しに入る。
D・コスタがパスを受けた時点または、独力でボールを前に運び、
アタッキングサードに侵入した場合はそこで崩しに入る。
二つ目は、ボール縦横に散らし、サイド攻撃したことによってサイドにヘルプ行ったボランチ付近のフリースペースから裏のスペースへのスルーパス。
DFラインを高い位置に敷いているために大きな裏のスペースが存在する。
ベンフィカもラインコントロールとマークをしっかり行い決定的なチャンスは多くは作らせなかった。
共通しているのはベンフィカの守備ブロックの外から攻撃している。
バイエルンの中央攻撃を警戒の現れでもあるコンパクトのブロックに正面衝突は
賢くないと判断したグアルディオラの采配。
ボールを持たれてからはうまくいかないベンフィカ。
立ち上がりは、DFラインでフリーでボールを持ってそこから狙ってフィードが出来たが、ペースを握られてからはボールを奪って攻撃に切り替わった時に、
守備のことを考えながら攻撃をしているバイエルンが素早いネガトラでプレッシャーが掛かり、相手にコントロールされた状態の攻撃になった為ベンフィカの狙いが出せなくなった。
押し込まれることで攻守にネガティブな影響が出るベンフィカは
セットディフェンスの局面でSHをD・コスタ担当にする
細かく言うなら、フォーメーション的にはバイエルンSBにはベンフィカSH、
SHにはSBがマッチアップするのがセオリーだが、マッチアップがSHに対してSHに変更した。(あくまでメインの話、SBが対応に出ることもある)
D・コスタのポジションがSBに近い場合、セオリー通りマッチアップはSBになる。
何度もフィードからパスを受けて効果的なプレーをされたら。ディフェンスとしては
対応の仕方を変えなければいけない。
1番シンプルなのが、D・コスタへのマークの意識を高める。
つまり、あらかじめ近い距離にいて、前を向かせない、場合によっては
ボールを受けさせない。
ただ、SBがこの方法を採ると、DFラインを離れることになる。
ゴールに近い位置であればあるほどDFラインに穴を空けることは危険なことなのでなかなかこの方法は採れない。
しかも、ミュラーはX・アロンソがサイドチェンジでD・コスタにフィードしそうな時に、D・コスタサイドのSBの近くにポジショニングして、少しでも対応を遅らせる為に
ボールのないところでの駆け引きを頻繁に行っていた。
そこで先ほど説明したマッチアップの変更。
SHならディフェンス面で致命傷にならないと判断した。
その直後にベンフィカのゴールが決まる1-0。2戦合計1-1
右サイドに人を集めて、バイエルンディフェンスを引きつけ
左サイドの中盤に大きなスペースを作り攻撃性能の高いSBエリゼウが
高い位置までボールを運びクロスのような裏へのフィードでラウール・ヒメネス
がヘディングでネットを揺らす。
バイエルンのウィークポイントを突いた得点。
この引きつけて運んでチャンスメイクする形は、得点シーンの前に2度オートマチックに行われてたので、監督の仕込み通り。
ベンフィカの得点以降、正確に言うとベンフィカのマッチアップの変更後から
バイエルンの攻撃が変化する。
D・コスタからの攻撃が効果的ではなくなることが多くなり、
右寄りの中盤でプレイしていたT・アルカンタラが左寄りの中盤にプレイエリアを移し、そちらサイドからの攻撃が多くなる。
1-1。2戦合計2-1
対応されてからの対応がかなり早かったバイエルン。
2プレーほどでチーム全体が意思疎通をしていた。
さすが優勝候補筆頭といったところ。素晴らしい。
そこからは同じように試合は流れ前半終了。
後半はリトリートとセットオフェンスが少ない展開になった。
理由はベンフィカが前プレを仕掛ける時間が多くなり、
それを掻い潜るバイエルン
後半立ち上がりはベンフィカが前プレの意識を高める。
その影響で自陣深い位置でボールを奪い攻撃を始めることが多くなり、
カウンターの回数が多くなる。
そのカウンターから得たCKで51分にミュラーが逆転ゴール。
1-2。2戦合計1-3
敵陣でプレーする回数を確保するメリットがあったが、
カウンターの危険性が増すデメリットが勝った瞬間だった。
逆転後のベンフィカは攻撃ではR・サンチェスが高い位置での攻撃に頻繁に絡むようになる 。
守備ブロックは高い位置に保つ徐々に前プレを抑えていく。
その為バイエルンはセットオフェンスの時間が増えてくる。
バイエルンは左DHのフェイサを動かしそのスペースを狙って崩していた。
リベリーがタッチライン際でボールを前向きで持ち、ベンフィカSBとSHが、サイドの対応に出る、それによって出来たSBとCBの間のスペースにT・アルカンタラが走り、
その対応をフェイサがする。
フェイサがいたボランチのスペースにT・アルカンタラとのワンツーで侵入を試みるプレーをリベリーが行った。
これ以外にも何回かフェイサを動かしそのスペースを使うプレーが見られた。
何度かやられたあと、フェイサは受け渡せるところは受け渡すように対応を変えていた。
試合終盤はお互いがセットプレーと少ない時間で前プレを交わしゴール前まで、行き来する攻守の切り替えが頻繁に起こる展開。
バイエルンは立ち上がりと同じくDFラインがさらされると脆さが露になった。
2-2。2戦合計2-3
あと2点が必要なベンフィカはバイエルンより多くの決定機を作る。
84分にベンフィカの2点目と似た様な位置でのタリスカのFKは見せ場だったが
決められず試合終了。
バイエルンの準決勝進出がきまった。
勝手なイメージだが、ポルトガルのチームは攻撃に重きを置くイメージで、
多分ベンフィカもいつもは攻撃を重視したサッカーをしていると思われる。
ただ、CLなどの格上相手の試合だと相手に合わせ、組織されたリトリートと
カウンターをメインに、相手の弱点を突く戦い方を変える柔軟性が、
CL準々決勝で善戦する成果を上げたのだろう。
スペイン行ったら、行ってみたい国の1つにポルトガル入ってるんですよね。
育成上手いし、いい指導者出てるし、サッカーの勉強として興味があります。
隣国で、言語的に意思の疎通は図れるようなので。
バイエルンは脆い部分はわかりやすく脆かった。
何がまずいって、その弱点を隠せてないのがよくない。
ただ、CBのレギュラーが帰ってきたら強いはずなのでそこまでしのげればと言う所。
ビジャレアルCF vs FCバルセロナ リーガ・エスパニョーラ 15-16 30節
今シーズンのビジャレアルはレギュラー級をベンチにも揃えてリーガとEL両方をで好成績を狙っているのがわかるような補強でシーズンを迎えた。
リーガはCL本戦をかけたプレーオフの権利を得られる4位に位置している。
ELはベスト8まで勝ち進んだ。個人的には優勝も十分狙えるチームだと思っている。
なので、補強に見合った結果が出そうなシーズンを過ごしそうである。
このクラブは当然そうでなければいけないけれど。
個人的にはCL初の連覇はバルサにして欲しいので、頑張って欲しいが
昨年ほどの圧倒的感がない気もするところが気になる。
それでは試合に行きたいと思います。
ビジャレアルの4-4-2はゾーンの意識が強く、自分の持ち場を簡単に離れないスペースを守る。
縦横ともにコンパクトで選手間の距離も一定を保つ。
それに対してバルサは立ち上がりビルドアップの局面で相手の2トップに対してCBとブスケツ3人で数的優位を作り時間を手に入れてポゼッションを安定させる。
ここがバルサのビルドアップの出発点。
WG(メッシ、ネイマール)が中盤に降りてポゼッションに参加し、ピッチを横に大きく使ってブロックの外からショートパスを中心に攻める。
目立ったのはサイドでWG、CH、SBの3人がユニットとしてポジションチェンジや
パス交換で崩す事を試みる。
この局面で効果的だったのは、CH(ラキティチ、アルダ)の動き。
WGがサイドでボールを受けやすいように、CHがビジャレアルSH付近に
ポジションを取りWGへのディフェンスの対応をポジショニングで遅らせていた。
この攻防はビジャレアルのディフェンスが適切に対応しフィニッシュに何度か行くことがあったが、決定的なシーンは作れない。
ビジャレアルはカウンターを狙い、フィニッシュまで行けなかったら遅行に移行していた。
4-4-2の4と2の間で奪えたときは、いい状態でボールを奪えたので出し手も、受けても前向きでプレーしやすい。
ペナ幅でアタッカー中心に時間を掛けず、前に運ぶプレーでフィニッシュまで行く。
自陣ペナ付近でボールを奪った時のロングカウンターは、バルサのプレッシングにポジショニングが甘い選手がいた事と、ビジャレアルの後ろの選手が技術が高い(戦術的な意味でも)選手なので、プレッシングをかわして、アタッキングサードに侵入する回数も多く、決定的な場面を作ることが出来ていた。
ブルーノのプレスを受け流す能力と、デニス・スアレスのスペースがある状態での推進力はバルサにとって厄介だった。
失点後はビジャレアルが
失点後約10分間はビジャレアルが攻守ともに積極的になりビジャレアルペースで試合が進む。
セットオフェンス(ビルドアップが終わって崩しに入る状態)の時に SBを積極的に上げるようになる。
ただ、バルサのカウンターの時にSBの裏を狙われるデメリットもあった。
ディフェンスでは自分たちがボールを持つ時間を長くして攻撃機会を増やすために
チームで奪いに行くディフェンスをする。
しかし、時間が経つとメッシがゲームメイクを始め、前プレがかわされ始める
前プレを交わされるとカウンターや、少ない人数で守ることになり、
MSN相手には分が悪い展開になってしまう。
なので前半30分頃からビジャレアルは前から行くのをやめて、序盤と同じ試合展開に戻る。
中盤低い位置に降りたメッシを誰が見るかが曖昧になり守備ブロックがズルズル下がり、押し込まれる時間が多くなるビジャレアル。
押し込んだ時のバルサのシステムは2-3-4-1
バイタルのメッシとネイマールに自由を与えたくないビジャレアルは、
守備ブロックの横幅を更に狭くする。
しかしバルサは、その二人のコンビネーションで無理やり突破を試みる。
この時間帯は両チームともチャンスを同じくらい創ったが、
そのPKをネイマールが決めて2-0で前半を終える。
試合展開自体は変わらず、
ビジャレアルのカウンター対バルサのネガトラが多くの時間を占めていた。
後半に入ってビジャレアルは前半にやめた前プレを再開。
ホームで前半で2点差をつけられて、ビジャレアルのクラブの格からしてここで前に行かないわけには行かない。
やることははっきりしているので、選手に迷いはなくプレスの強度が上がっていた。
実際にボールを奪える回数が増え、その形からショートカウンターでバカンプが決めて1点返して1-2。
そのままの勢いで後半17分にCKで同点2-2
後半9分にピケと交代したマテューのオウンゴールを誘う。
最後の崩しの局面で中央突破を重視していたバルサだったが、サイドに大きなスペースを創った状態でペナ横までえぐってクロスや、右SBを絞らせてニアゾーン(最近はハーフスペースという言葉が流行っている)でJ・アルバがグラウンダーのクロス(バルサ得意の形)を多用するようになる。
CBもセンターサークルを超える辺りまできてハンドボール状態で攻撃をするバルサ。
ただ、今日のバルサは終始カウンターを許し、ポゼッションが長く続かない。
ビジャレアルの素早いトランジションからの、ブスケツが飛び出して出来たスペース
でボールを受け、バルサのCBに捕まえられたら、DFラインを下げるために裏に走り
広げたスペースに他の選手にドリブルで侵入させるカウンターに苦しめられる。
最終的にそのままスコアは動かず2点差をバルサがビジャレアルに詰められ2-2で
試合終了。
ビジャレアルはこれだけ攻撃に出て2点取りながらも決定的な場面をバルサ相手に作られないゲーム運びは素晴らしいと感じた。
攻撃全般的に少人数で完結してカウンターの失点のリスクを下げてゲームを進めることが大きかった。
ただ、バルサもブスケツのスペースは昨シーズンも狙われていたので、
そこをケアするのか、前で潰すのかをはっきりさせなければCLレベルで失点の可能性が高いと思う。
特に次のベスト8で当たる相手はビジャレアルとSHの使い方が似ているのでそこを執拗に狙ってくるだろう。
Voy a ver el partido de fútbol con mi amigo ~ガンバ大阪 × 鹿島アントラーズ Jリーグ開幕戦~
タイトルはスペイン語で「私は友達とサッカーの試合を見に行きます」です。
言葉通り友達とサッカー観戦に行きます。
カシマスタジアムのホーム開幕戦です。
なので、今回は事前に鹿島の戦術を予習しておこうと言うかなり個人的なマッチレポートです。
地上波で放送してくれたTBSに感謝します。
尚、最初に言っておきますが対サガン鳥栖戦はアップしません。
今度鹿島の試合見に行く、またはスカパーで鹿島の試合見るよって人は参考にしてみてください。
この記事を見て鹿島の試合見に行きたくなったって思ってくれたら最高です。
あの綺麗な緑の芝生とテレビの何倍もの音量で体内に響いてくるサポーターの大声援。
僕は何度行っても気持ちが高ぶります。
コンビニやネットとかで簡単にチケット買える時代なんで見に行ってみてください。
ではそろそろ分析に行きたいと思います。
マッチレポートというより戦術分析なので試合にはほとんど触れないで行きます。
俺は予習終わったからお前もこの記事で予習して3/5楽しむぞ。
サッカーの4つのサイクル
・攻撃(セットオフェンスまたはポゼッション)
・攻撃から守備への切り替え(ネガティブトランジション通称ネガトラ)
・守備(セットディフェンスまたはリトリート)
・守備から攻撃への切り替え(ポジティブトランジション通称ポジトラ)
分析対象のチームのこの4つの局面の長所短所、特徴をを分析してチーム力の大枠を判断している人もいるでしょう。
括弧の中は自分の呼び方やよく目や耳にする言い方で、各々呼び方は自分で理解していれば問題ないと思っています。
現代サッカーであればもっと細かくすることも可能だと個人的には思いますが、
これが有名どころです。
この記事ではこの4つのフェーズに分けて分析していきます。
鹿島の武器 トランジション
攻→守への切り替え
鹿島最大の特徴はトランジション。
ネガトラは崩しに関与した選手の切り替えが速く、パスを前に出させないように、
ファーストディフェンダーの役割を果たしていた。
ファーストディフェンスを回避してもカウンター起点となっていたアデミウソンはガンバのペナ近くだと柴崎ハーフェーライン近くだと植田が、長沢は昌子がしっかり潰していた。
攻撃の局面の時点でDFラインを上げポジショニングも攻守が入れ替わった時を想定した準備が出来ていることが質の高いネガトラを実現させていた。
守→攻への切り替え
ポジトラでは前を向いて、自陣真ん中辺りで良いボールの奪い方が出来た時は、奪い切る少し前から、SHの中村がハーフェーライン付近に出来ていたエアポケットにポジショニングして、奪いきったらすぐボールを中村に渡し数的同数に近い状況でカウンターを繰り出す場面が何度かあった。(ビジャレアルもやってる)
最初は鹿島SHのリトリートの守備タスクがデスコルガードの為か少し緩かったが、10数分頃からガンバに攻め込まれる時間帯からしっかり守備に参加するようになったが、隙をみて続けていた。
低い位置からのカウンターでは金崎のキープ力でタメを創り押し上げる時間を稼げる。
トランジションの局面での球際の強さと複数の選手で連動はしっかり意思統一が出来ていてレベルが高かった。
後半運動量が落ちて球際の強さに衰えが出てボールを持たれる時間が減り、ガンバペースの時間の方が多かった。
ボール保持を時間増やしてリズムを落としてスタミナをコントロールすることなど改善が必要だと感じた。
守備(セットディフェンス)
セットディフェンスでは、まず最初はハイプレスを仕掛ける。
ハイプレスでボールをGKに蹴らせて、ルーズボール争いに持込み自分達の土俵に上がらせる鹿島。
前半は8割くらいの勝率でルーズボールを鹿島ボールにしていた。
それができなければリトリートして4-4-2で守備ブロックを作る。
人の意識(マーク)が強い守備。
鹿島のSHは守備時にペナ横(サイドの深い位置)まで下がらず、それ以降は守備に関与せずカウンターの起点の準備を始める。
2トップはポジションをとっているものの、守備ブロックの計算に入らない。
気まぐれで守備を行っていたので、ガンバのボランチは常にではないが、妨害のない状態でボールを捌いていた。
ガンバは鹿島の右サイドに人数をかけて、狙っていた。
おそらく鹿島の右SBの西は裏を取られやすい事をスカウティングで分かっていてのこと。
右サイドに大森と藤春と今野に時々FWかトップ下と人数を掛けて西の裏を藤春のスピードを活かし突破することを狙っていた。
鹿島は右サイドを短時間で何度か突破されてからはSHの守備意識が高くなった。
右サイドの攻撃がが効果的ではなくなったら今度は鹿島の左サイドから攻めに切り替える。
ガンバの右SBの米倉からサイド攻撃が始まるがオフザボールの動きが少ないからか、こちらサイドでは前を向くことが簡単には出来ない。
ただ、何度か藤本がカットインしながら右にサイドチェンジをして守備ブロックに侵入する形を見せた。
ボールの受け手に制限をかけるディフェンスで守っていたが組織で守る意識が低く、ボールの奪いどころがない、完成度の高とは言えないディフェンスだった。
ただ、米倉がボールを持った時、縦を切り周りの選手も捕まえてパスを出す判断をさせない。
よって米倉が斜め後ろのCBにバックパスした瞬間にFWがCBにプレスをかけGKまで下げさせてロングキックを蹴らせてマイボールにするパターンは成功していた。
ポゼッション
立ち上がりガンバの守備は4-4-2で鹿島のCBを放置した守備ブロックを組んで来た。
なので鹿島はCBがポゼッションの出発地点となり、ビルドアップを始める。ビルドアップではロングボールの前進とショートパスでの前進を使い分けていた。
ロングボールを使ったビルドアップ
ガンバのFWとSHはと鹿島のDHとSB担当なので鹿島のDHとSBは意図的に高いポジションを取らない、そうする事によってガンバの守備陣(DFラインとボランチ6人)
とアタッカー4人の距離を開かせてスペースのある状態でロングボールをガンバの中央寄りのサイド付近にFWにロングボールを当てて、セカンドボールを拾いビルドアップ完了。
セカンドボールの奪い合いをしている間にDFラインはハーフェーライン付近まできていて、ボランチはセカンドボール争いに参加できることもあった。
ショートビルドの場合
ブロックの外からアタッキングサードまで前進し、サイドからブロックの中に侵入する
DHをSBエリア(本来SBのポジション)に配置してガンバのSHを引き出し、SBをフリーの状態でボールを渡す。
ボールホルダーのSBは前に運びガンバSBが対応に出てくるとSBの裏が空くのでそこで片方のFWがボールを受けビルドアップを成功させる。
SBを低い位置に留めて、ガンバSHを引き出しフリーでパスを受けてSBを引き出しFWのパターンもあるが、大事なのはのはSBを引き出しSBの裏のスペースを創り、FWに受けさせること。
24分頃にガンバがスペースを与えるのを嫌い鹿島のビルドアップでガンバのSHが鹿島のSBのエリアにプレスに行くのをやめて、鹿島SHを対象に変更。
そうすることによって、SBが前に出る必要がなくなるので裏をFWに取られないように修正。
その場合はプレスがかからなくなったSBでボールを運び前進する。
ガンバはリトリートの局面でも守備ブロックのプレッシャーの意識を落としてスペースを埋める事を優先する。
柴崎が守備ブロックの前でノープレッシャーでボールを持ったら、遠藤がDFラインの裏や、バイタルの崩しの決定打になるような場所にフリーランニングをしてシュートチャンスを演出する。
ビルドアップが終わったら崩しの局面に入るが、ポゼッションではサイドから起点にピッチを縦横大きく使っていく攻撃が特徴的だった。
常に狙っているのがSBとCBの間、または同義語ではないがニアゾーンを狙う。
鹿島の崩しの多くはタッチライン際に選手を張らせてそこを起点に始まる。
タッチラインに張る選手はSH、SBの片方か両方、たまにFW。厳密に決まっているわけではない。
ガンバのSH、SBをコンビネーション(ポジションチェンジ、ドリブル、パス交換)でタッチライン際まで引きつけ間のスペースをオフザボールの選手が使い、ドリブル、パス、クロスでフィニッシュまでいく。
スペースが生まれそうにない場合は、コンビネーションで強引にブロックの中に侵入する。
サイドチェンジをして逆サイドでやり直すこともあった。
シンプルにサイドを突破してクロス、アーリークロスでもゴールに迫っていた。
アーリークロスの特徴は相手がクロスの対応の準備ができていない隙に早めにクロスを上げる、そして、点で合わせるのではなくDFが落下地点に入れない所に速いボールを入れて、クロスの受け手は遅れて入ってマークを出来ていない状態でゴール前に入っていく。
鹿島は崩しに入ると、どんどん周りが連動して動いて、あまり時間をかけず相手に考える時間を与えずゴールに向かって行くのでかなりスピード感と迫力があり、何度もゴール前に侵入することが出来た。
ここでも後半の運動量の低下の影響が出て、オフザボールで動いてポジションチェンジすることが減り、時間とスペースを作れなくなってしまった為フィニッシュに行く確率が落ちた。
カイオを投入してからは、カイオの個人技での攻撃が多くなった。
まとめ
鹿島のゲームプラン
攻撃ではまず相手の守備が整っていない状況(カウンター、ルーズボール)で速攻。
ポゼッションの優先順位はその次。
ポゼッションではショートパス、ロングパスを使い分けビルドアップをして、
崩しに入ったらピッチを大きく使い、ポジションチェンジをしながらSBとCBの間を使い崩す。
マイボールにする手段はネガティブトランジションとゴールキックとプレスをかけてボールをGKまで下げさせて、ルーズボールを拾う。
リトリートは人を4-4の守備ブロックで人を捕まえるディフェンスで跳ね返す。
鹿島アントラーズを分析して見えた長所・短所
いい意味でも悪い意味でも運動量が鍵を握っているサッカー。
ただ、ハードワークできている時のトランジションとポゼッションの崩しは質が高かった。
リトリートで2トップが守備をしないので、ボランチに大きな負担がかかっていた。
バイタルを使うのが上手いチームにはこの部分が目立ちそう。
人の意識が強いディフェンスでスペースを相手に使われてしまう場面があった。
右SBの西は裏を取られやすいので今後も狙われる。
守備で押し込まれても金崎のフィジカルを生かしたポストプレーで時間を稼げるのはでかい。
ジョーカーにカイオは強力なカード。
チーム分析は相手があることなので1試合では結論は出せませんが、自分が読み取ったものを文章にしました。
この試合を見てJリーグ面白れえと普通に感じました。
正直ここまで面白いと思ってなかったです。
では、これを踏まえてカシマスタジアムに行ってきます。
¡Hasta la próxima!
パリ・サンジェルマン × チェルシー 15-16 CL Round of 16 1st leg
今回は前半後半や試合経過など無視して戦術の部分だけを書きていきます。
PSGのポゼッション対チェルシーのリトリート
チェルシーのリトリート
4-4-1-1で守備ブロックを作る。
守備ブロックの特徴としては、ゾーンの気配が薄かった。(特にMFとSB)
ゾーンで守る場合、前回の記事のユベントスのように一人ひとりが点ではなく線で結ばれているようにプレスに行ったらカバー、ひとりが高い位置に行ったら連動、横にずれればついていく。そうすれば必然的にラインの距離感は大きく変わらない状態が保たれる。
ただ、チェルシーは人の意識が強く、マークの受け渡しはすることもあるが、自分のマークへの対応は持ち場を離れてついていくことも多く距離感が開くことが多かった。
PSGのポゼッション
ポゼッションでの局面の選手配置4-3-3をベース。
SBがSHのようなポジションを取り、WG(ディマリア、ルーカス)が中央メインで
プレーをする。
イブラヒモビッチはゼロトップ。
中盤のボール回しや、サイドの崩しに絡むことが多かった。
中盤センター3人はスタートポジションはMFライン前だが、
バイタルやサイドの崩しのサポート、最終ラインのラインブレイクの為のスプリントなど、攻撃参加も多かった。
もちろん、全員ではなく1人か2人は中盤に残り攻撃のやり直しのサポート役とカウンター対応役をしていた。
お互いの基本形はこんな感じでPSGは色々な手を使ってチェルシーディフェンスを崩しにかかる。
幾つかのパターンを紹介したいと思います。
CBに対応させない(ピン止め)
D・ルイスがルーカスにパスのシーン
丸の中はイブラとイバノビッチ。
矢印が2本出ているのはミケル。二人に対応出来るポジションをとっている。
優先順位が高いのは自分の背後にいるルーカスの方が危険なので、前方を捨ててでもマークするべき。
多分、CBがイブラの対応でバイタルの対応に出れない事を把握できていないので。
バイタルに居る選手はCBに任せている。
CBがイブラのポジショニングによって対応できずにバイタルで前を向かれてしまう。
SBを移動させてスペースメイク
丸で囲まれているのがババとルーカス。
マンマークの意識が高いマッチアップ。
ルーカスが中に絞ったことによってババも中に
最終的にはCBより中に移動し、本来SBのポジションにイブラ。
ディフェンス側からしたら、ペナの中なので手を伸ばしたら届く距離でマークしたい場面だが時間を作られてしまった。イブラに前を向かせることになってしまう。
DFラインに穴を空ける
ルーカスからディマリアにパスをしているシーン
SHが埋めるべきスペースだがSBについている為DFラインに吸収され5バックになっている。
ディマリアにパスが渡りSBが飛び出しプレス
SBが飛び出したことによってDFラインに穴が空きスルーパスのコースが生まれる
マクスウェルに完全に裏を取られて崩される。
オフザボールの選手が意図の感じるポジションを取り、味方の選手がプレーしやすい活かす動き、それに対して活かされる仕組みが多くあった。
90分間通してPSGはサイドからも中央からも攻撃のパターンをチームで共有できていて、実行できていた。
チェルシーはそれに対してオフザボールの選手を捕まえる意識を強めたり、(DFラインが吸収するようになったのは13分頃、立ち上がりは4-4の守備ブロックの形を維持していた)
後半からボランチに対してプレッシャーを強めたり、自分たちがボールを保持してそもそもPSGの攻撃の回数を減らして猛攻を凌いでいた。
次はPSGのリトリート、4-5-1でチェルシーより人への意識が高い。
中盤の選手は自分のマッチアップしている選手にプレッシャーを掛けることに重きを置いていた。
なので、背後(バイタルエリア)にスペースが生まれることも多かった、カバーの優先順位も低く、中盤のラインを超えるパスコースの遮断も行っていないので、バイタルにパスが通る。
ただそこはCBが処理するので致命傷にはならないがかなり、個性のあるディフェンスではあった。
チェルシーのポゼッションは4-2-3-1で4人のアタッカーとボールサイドのSBとセスクで攻める。というざっくりとした形はあった。
左サイドからの攻撃が多かったが、ヒディングが就任して間もないからか、チームとしてどう攻めるかというのは感じられず、各選手たちのアイディアで攻めていた。
サイドからのクロスが多く決定機もあまり作れなかった。
後半はアタッカー4人でのカウンターメインで行く意思統一をして、PSGの攻撃が終わりそうになったら早い段階でSHがデスコルガードをするようになりフィニッシュの回数が増えた。
それは試合展開にも影響を与え、チェルシーのカウンターの回数が増えたことによって、オープンな展開になった。
最終的なスコアとしては、2-1
試合結果としては1点差だが試合内容では差を感じた試合だった。
PSGは攻撃に関しては素晴らしいものを見せてくれた。
高い位置からのプレスも1タッチ、2タッチで華麗に交わし、ポゼッションも多くのレパートリーを持っていて、カウンターも個人能力の高い選手たちがコンビネーションでフィニッシュまですんなり行ってしまう。
高い位置からのプレスもこの試合で普通にやっていた。
ただリトリートはCL決勝トーナメントレベルだと弱点とは言わないが、そこを狙ってくるチームが出てくる。
人の意識が強すぎるのでそこの攻略がうまいチームだとやられるだろう。
ただ、ボールを持つことがめちゃくちゃうまいので、弱点と隠すことが出来るので致命傷にはならなそう。
CLベスト4に入る実力は備えているという印象を受けた。
チェルシーは ポゼッションでチームとしての意図を感じれなかった。
それで崩せるのであれば問題ないが、チームの共通認識がないと相手の守備ブロック
を崩すのは難しくなってくる。
リトリートも人を捕まえきれていないシーンがあり、攻守に組織力に問題があることに、今シーズンの不調を感じた。
最後のところでゴールを割らせないCBとGKの高パフォーマスは記しておきたい。
ユベントス × バルセロナ 14-15 CL FINAL
セリエのクラブで09-10モウリーニョインテルぶりのファイナル進出チームとなったユベントス。
ベスト8、4の舞台にコンスタントに立てるようになればセリエの復権をアピールになるはず。
今回はその大きなきっかけになったのは間違いない。
アッレグリは就任初年度で成果を出し、名将だということを結果で示した。
セリエをあまりみないですが、チームの戦力を組み合わせで最大限に発揮することの巧さがある監督という認識があります。
そしてみんなの憧れバルセロナ
でもないかもしれないですが、昨今のサッカーでこのクラブの注目度は随一でしょう。
バルサがカウンターに手を出したと話題になったチーム。
この1つ前のシーズンのヘラルド・マルティーノの時代からカウンターに着手していましたが、結果を出したという意味で注目された。
個人的にはポゼッションで崩していくサッカーが好きなのですが、偏ってはいないし、強いことはとても大切なことだと思ってるんで、このサッカーに賛成しています。
ポゼッションだけで勝てなかったら無意味なんで。
更にはネイマールが覚醒したシーズンだと思っています。
個人的にバルサ加入前後のネイマールは過大評価(いい選手だとは思っていたがもっといい選手が沢山いた)だと思っていたのですが、ドリブルとコンビネーションと得点力がアップして自分の評価が周りの評価に追いついてきました。
得点の数に関してはスアレスのおかげで稼いでる部分もありますが。
では話は試合に移ります。
前半はバルセロナがポゼッション、ユーベがリトリートという構図で多くの時間が流れた。
ユベントスは4-3-1-2での前プレと4-3-1-2と4-4-2の併用したリトリートを使い分けていてリトリートは4-4-2の時間が多かった。
4-3-1-2のトップ下のビダルがボランチに入り4-4-2にシステムチェンジする。
自陣の真ん中に位置して、ゾーンの色が強く、ディアゴナーレとスカラトゥーラでしっかり中央を閉めていた。
中央を閉めているということはサイドが空くということを意味している。
4-4のブロックの前エリアでプレッシャーが強くなく、ボールホルダーに対して距離が1m空いていた。
守備組織が整備されていないチームでプレッシャーが弱くバイタルを使われまくり、致命傷になることがあるがユベントスは問題にならなかった。
ただ、プレッシャーが弱いがゆえに、守備ブロック近くで自由にボールを持てることは目をつぶれない。
先制点以降からユベントスは、ブロックの前のエリア(このエリアに専門用語が欲しいバイタルエリアみたいに)のプレッシャーを厳しくする。
その方法は少し試行錯誤するが、10分頃にそのエリアはボランチとFWのプレスバックで挟み込むことで落ち着いた。
バルサのポゼッションでの陣形は4-3-3。
中を閉めているユベントスに対してスタートポジションを両WGタッチラインに張る。サイドチェンジを多用して、サイドから中に侵入する。
イニエスタが中寄にポジションを取る、ユベントスの右SHがイニエスタの担当なのでポジションと意識が中に向くことによってSHが本来いるべきSBの前を空く、そこをネイマールに使わせて崩す。
もう一つ特徴的だったのは、スアレスはSBとCBの間のポジションを取り、サイドの選手からボールをうけていたがユベントスのCBがついて行き対応されていてそこから崩しに発展しなかった。
前プレからショートカウンターで多く決定機を作っていたバルサだが、試合中盤からユベントスがゴール近くでボールを失うことは避けるため、プレスにハマりそうになったら、前線にボールを蹴り、リスクを回避していた。
バルサの守備は、4-3-3で前プレを掛ける。
リトリートの時は4-3で守る。
ユベントスがボールを奪ってから、時間が経ち、バルサ陣にユベントスの選手が7,8人入って来た時だけ4-1-4-1になる。
MSNが帰ってこない理由はデスコルガード。
ただ、ユベントスのカウンター回避の為のシュート意識の高さでトリオのロングカウンターは発動しなかった。
バルサは決定機を作られなければ問題ないという計算の守備をしていて、実際決定機はほぼなかった。
ただ、バルサ側からすれば、MSNのカウンターの回数がもう少し欲しかったと思う。
ユベントスの攻撃はトランジションが多くを占めていた、狙っていたのは3つ。
・SBの裏
・CBの前(ブスケツのいなくなったスペース)
CBの裏に関しては、ユベントスがボールを奪ってブスケツが自分のポジションを離れていたら、そこでボールを受ける。
ラキティッチが埋める役割だったようだが中途半端なポジショニングでブスケツがいなくなった後の対応が疎かだった。
そこを使われる状況の時点でCBが持ち場を離れたくない状況なので、使われていたが、その数プレー後はCBが対応に出れる時は早めに対応していた。
・それが出来なかったら左サイドからクロスを上げて、モラタとJ・アルバのミスマッチを生かした空中戦。
トランジションに関しては、押し込まれている時はバルサお得意のネガトラでボールを回収されていたが、
ユベントスが押し込まれていない状況でボールを奪った時のトランジション(攻→守)はメッシが攻守を切り替えてプレッシャーをかけに行かないので、アウベスやラキティッチがメッシの分のディフェンスをしていたものの、その分自分のディフェンスが疎かになりそこを突かれる場面があった。
前半は両チームゴール前に行くが、決定機の回数が時間とともに減っていった。
後半
54分 ユベントス同点ゴール モラタ
ユベントスがGKまでプレスに行きバルサにロングボールを蹴らせる決断をする。
バルサはMSN3人とも中央でプレーするようになり、ブロックの外から慎重に崩していた前半だったが、個人技でブロックをこじ開ける回数が増える。
この両チームの修正によって攻守が切り替わる回数が増え、試合が不安定な時間が長くなる。
プレミアほどではないが。
逆転ゴールから少しの時間はユベントスの明らかな焦りで攻め急ぎ、ショートカウンターを受けるば回数が増えて追加点の匂いがする。
ネイマールの幻のゴールもこの時間。
ただ、バルサはファールの数が増えてセットプレーの回数が多くなった、
ユベントスは狙い目だがゴールは奪えない。
シャビ投入でボールポゼッション高めて試合を殺すのかと思ったがそうでもなかった。
ユベントスのペレイラ投入の意図は攻守両面で4-3-1-2にして、トップ下の選手を攻撃的にして、攻撃の強化に着手。
明確なターゲットを投入。
流れを変える采配にならず、最後にネイマールがスアレスと交代したペドロのアシストを受けてゴール、バルセロナがビックイヤーを手にした。
05-06から10年で優勝4回とかえぐい。
あとがき
バルサはなにげに試合通してポゼッションでコンスタントに崩せなかった。
ユベントスのバイタルへのパスコースの遮断の徹底ぶりのかなりのものだった。
あとバルサのリトリートって要所を締めているなと感じた。
被シュート数多いけどほとんど危険なシュートではなかった。
スペースなのか人につくのか、パスコース切るのかボールホルダーにプレッシャーかけるのかの判断の良さが理由なのだろう。
一度サイドに振られたらサイドチェンジはさせず、同サイドで締めて平凡なシュートで終わらせる。だから7人でも守りきれる。
ペップ以降のバルサはポゼッション以外戦術的にファジーな部分が多かった印象。
ルイス・エンリケは前プレも復活させ、カウンターに関しても戦力が揃ったのが大きいが、MSNに自由にやらせる環境を作り、リトリートがはっきりしているバルサはペップバルサ以来な気がする。
これが出来ているうちは強いだろうし、大崩はしないはず。
それを証明したビックイヤー獲得だった。
更新のペースについて
このブログの更新頻度は月4か5回としていましたが、これからは月2回で継続していきたいと思います。
このブログを初めて1ヶ月が経ち、学ぶことはいくつかあるのですが、特に感じるのが説明することの難しさです。
自分の頭の中での理解であれば、自分なりの解釈や、イメージできるレベルで理解をしていれば十分ですが。
説明する、言葉にするとなるともう一つ理解を深めなければ表現する事が難しいという事を、何回目だよってくらい改めて感じています。
その為、満足できるレベルでは全くないですが、戦術分析のレベルが少し高まった実感があります。
そして、レベルが上がったことによって「試合を見る量」が重要な段階にはいったと思います。
成長のプロセスを考えれば、レベルが変われば同じトレーニングは適さない事と同じ理屈です。
僕は文章構成が得意ではなく、パソコンのタイピングも得意ではないです。
なので、1つの記事を書くのに時間が掛かり、週1ペースで更新している現在「試合を見る量」が減っています。
1つの記事の内容(量と質)を落として月4記事を維持することもできますが、そこの比重を落とすとこのブログを続ける意味がなくなってしまうので、その判断はしません。
以上、更新ペースの変更の説明と、
このブログとの向き合い方や役割を自分の中で整理する意味での更新でした。